岩手県立病院医師連合会

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岩手県立病院医師連合会

住所:
 盛岡市上田1-4-1
 (岩手県立中央病院内)
電話:
 019−653−1151
 内線(2367)

 
連合会について ご挨拶


ご挨拶


岩手県立病院医師連合会
会長 佐藤 耕一郎

 医師連の一般目標

 県立病院職員が,医療に集中できる環境を構築する。

 医師連会長就任のご挨拶

 医師連会員の皆さんが医師になった理由の多くは、患者さんの病気を治したい、命を助けたいという気持ちであったと思います。しかし、現在それを妨げている要因が、1人の患者さんに十分時間をかけて診断、治療できないことです。その大きな原因として、医師不足、医療訴訟、新臨床研修制度、加算を得るための会議、病室ラウンド等の患者さんを直接診療する以外の義務が非常に増加しているということがあげられます。

 医師不足については、2年前に達増知事との懇談会でプレゼンするため、自分なりに多くの資料を読み、出した結論では、日本は実際に医師不足であり、医師の総数は増えてはいるが、開業医が増えて公立病院医師のような重病を診る医師の数が減っており、また訴訟を恐れて自分の専門以外の科は診ない医師が増えているため、1人の患者さんがかからなくてはならない医師数が増え、結果的に公立病院医師の86.1%が法廷40時間/週を超える過重労働を強いられているということでした。さらに2008年の日本医師会が実際に各都道府県医師会に行ったアンケート調査で、日本の足りない医師数は2万4033人であり、増員が必要と思われる医師数の一番多い県は岩手県で、現在の1.4倍の増員が必要とされておりました。

 このように岩手県は患者さんの割合に対する医師数が少なく、少ない時間で多くの患者さんを診療しなくてはなりません。そのうえに、県立病院には重症患者が多く、1人の患者さんに多くの時間が割かれるうえに、指導医は研修医の指導もしなくてはならず、さらに結果が悪いと訴訟のリスクにさらされることも珍しくなく、過剰労働となり、100時間の超勤を強いられる医師も存在するような状態です。しかし、患者さんを見捨てて休むわけにもいかず、すべてではないのですがいわゆる立ち去り型のサボタージュで、岩手県立病院ではH21-23の3年間で毎年30名以上の研修医でない医師の辞職があり、2010年に施行した岩手県立病院を辞職した医師に対するアンケート調査では、辞職の原因として過重労働が一番多く、労働環境の改善があればもっと続けられたと答えた医師が多くおりました。

 この医師不足の根本的な解決には、10年以上前に同様の状態に陥ったイギリスでブレア首相が行った医学部の定員を2倍にして医師を増やし、診療報酬を2倍にしてチーム医療を推進するコメディカルを増やすといった思い切った行政による政策が必要であろうと思われます。しかし、残念ながら日本ではようやく2007年に厚労省が医師不足を認めたにもかかわらず、医学部の定員は最低値から比較すると約17%増、診療報酬は0.19%増となったにすぎません。以上からすぐに必要な医師の補充は難しいといえます。

 日本全体で医師が足りないのですから、その一番足りない岩手県で医師を招聘といってもなかなか難しいのは容易に理解できます。そこでこの解決方法として、医師がいない部分をその分野だけに特化した技術や知識を持つコメディカルと一緒に治療を行うチーム医療が推奨されてきました。このチーム医療は有効な方法ですが、私立の病院と違って公立病院には大きな足かせがあります。それは定数です。加算要件にスペシャリストの専任という項目があっても、公立病院は定数が決まっているため、スペシャリストを増員できず、加算点数がもらえないことがあります。また、検査の説明、診断書、検査のオーダーなど付随した診療行為を定数に制限されてコメディカルを増やせない公立病院医師は一人で、私立病院医師はチーム全体で行うため、おのずと診療できる患者数に違いがでます。これが私立病院と比較して、公立病院が赤字である理由であり、事実として、2006年の自治体病院調査で92.73%の自治体病院が赤字となりました。岩手県医療局もご多分に漏れずにこの定数の増加をなかなか認めようとせず、医師の負担軽減と県立病院の赤字の改善を妨げています。さらに、認定を持っている看護師がその専門医の医師がいない病院に配置されているなど、職員の効果的な配置がされておらず、加算が取れないなど無駄なことがおこなわれています。『この定数を含めたコメディカルの配置をどうやったら結果として黒字で質の高いチーム医療ができる病院にしてゆけるか』というグランドデザインを医療局だけでなく医師も含めた県病全体で話し合い、実行してゆく必要が急務と思われ、医療局と協議してゆきたいと思っております。

 医療訴訟のなかの民事訴訟に対しては、医師連で説明不足で訴訟に負けないように外科合併症をすべて書いたコントラクトを作成し、対処する方法を施行してきました。しかし、刑事訴訟については、おこった死が異状死かどうかを弁護士に相談する制度のみで十分な対応マニュアルがいまだ完全な形で設定されておりません。この部分を強化し、たとえば医師が事情聴取から拘留された場合、『医療局の弁護士を呼んでくれ。』といえばよいような制度にしたいと思っています。それにより、医師が訴訟を恐れず、患者さんのために全力で診療できる体制が作れればと思います。

 2004年に、2年間の臨床研修が必須となり、岩手県では『いわてイーハトーヴ臨床研修病院ワーキンググループ』を組織し、県独自で、指導医講習会を開催し、指導医を養成するとともに、積極的に研修医を受け入れてまいりました。この努力のかいがあって、県立病院の常勤医師の減少分を初期研修医・後期研修医でカバーしております。しかし、研修医指導など指導医の負担は増加していると考えられ、毎年30人以上存在する指導医の辞職の防止と確保は重要な問題です。さらに、見学に来た医学生の接待も担当医師の時間と労力とお金の3つを消費する非常に大きな負担となっています。少なくともこの自腹を切って接待する制度を何とか改善したいと思っております。さらに、医師確保のために各病院の院長先生が積極的に動いてくださっておりますが、この費用においても自腹のことが多く、これも改善の必要があると考えております。

 さらに地域の病院の事情により、各医師の要望がそれぞれ異なることは当たり前のことと考えられ、医師連として個々の医師の要望をできるだけ実現させていきたいと思っております。皆さんの要望を各病院の理事に直接話すか、医師連合会のホームページの会員掲示板に書き込むか、医師連に直接メールしてください。皆さんの要望をできるだけかなえることを念頭に置き、できないのであれば何でできないのかを明確にフィードバックしようと考えております。

最後に、医師連としての目標を 『県立病院職員が,医療に集中できる環境を構築する』 とし、県病職員の皆さんが患者さんと十分な時間を持って向き合える環境を構築してゆきたいと考えております。

2012.8.10




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